えっ?モデル?
父の言葉が最初わからなかった。
わたしモデルに興味ないんだけど…
突然の父の発言に、それしか答えられなかった。
お母さんもね、お父さんと同じでモデルのお仕事がいいと思ってるのよ。ほら、今までのスカウトマンさん達のお名刺持ってないの?
母の言葉にギクッ!ときた。
持ってることは持ってるけど…適当にバッグに入ってると思う…多分。
ってかイキナリ何の話し?さっきモデルに興味ないって言ったじゃん!
また父が。
おまえは恵まれていると思うんだ。顔も母さんに似てキレイだしな。手足も長いし、これからまだ身長も伸びるんじゃないか?。スタイルを考えてもやはりモデルは天職なんじゃないかとお父さんは思うんだ。(続く)
181cmのわたしと10cmのヒール 5
181cmのわたしと10cmのヒール 3
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母が若かった頃、色白の肌に飽きたのか、小麦色の肌に憧れてビーチで身体と顔を小麦色にしようと試みたが、赤くなるだけで小麦色の肌とは無縁だったそうだ。逆にシミが顔や肩に残ってしまったのを後悔したと言っていた。
だから母は化粧品を美白のライン使いをしていたのか、となんだか納得してしまった。
長年のお手入れが功を奏したのか、母の顔にはシミがない。肩は知らないが。
わたしが背が高い理由のひとつが、この太陽を避けていた生活のせいであったのではないか?と、ある時思った。
日に当たらないとビタミンDが不足してしまうので、ビタミンD配合のカルシウムのサプリメントを飲むことが必須であった。あと、ビタミンCも。(続く)
181cmのわたしと10cmのヒール
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そう、容姿はといえば。わたしは生まれつき皮膚が薄い。頬などは血管が透けて見えるほど。おまけに色が白い。死人の様に。
色白なのには訳がある。
赤ん坊の頃から小学校2年生までは、母がせっせと日焼け止めをわたしに塗っていた。
3年生からは洗面台に置いてある日焼け止めを自分で塗るように、と、母から言われ、それまで塗られていた通りに自分で塗るようになった。
顔も首も腕も脚も。
日焼け止めを塗ることには何も抵抗がなかった。それが当たり前だったからだ。
母は元から色白だったので、わたしにも遺伝しているとは思う。
母曰く、子供の頃に浴びた紫外線の総量で、未来の肌に違いが出るそうだ。わたしは日焼け止めを塗るのが習慣になっているから塗っているだけで、そういったことはあまり考えたことがなかった。(続く)
181cmのわたしと10cmのヒール
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遺伝っていったいなんなのよ…。
好きで背が高くなった訳じゃない。好きで痩せてる訳じゃない。
お陰で服のサイズに困る。ウエストが細くて股下が長いパンツなんてほとんどお目にかかれない。わたし以外の家族は皆、普通体型なのに…
父は普通のサラリーマンだが、役職についているとかで高給取りだったらしい。
わたしのようにガリガリではないが痩せ気味で、染めていない髪は白髪交じりでもキレイにカットされ、自分で毎朝スタイリングをしている。身長は173㎝と至って普通だ。
母は。一言で言えば美人だ。そして美意識が高い。毎日ちゃんとお化粧をして、そしてそのお化粧する姿を父には決して見せない。正に女性の鏡。それにとても優しい。身長は160㎝。
私には弟もいる。
年は2つしか違わない。そのせいなのかどうか姉弟仲はいい。弟は姉のわたしからみてもイケメンに成長していった。(続く)